介護と仕事の両立に悩んでいる方にとって、非常に示唆に富む調査結果が公表されました。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングがまとめた「介護離職者の離職理由の詳細等の調査及び勤労世代の介護離職防止に資する介護保険制度の広報資料等の作成」では、介護と仕事の両立に直面する人たちのリアルな声が反映されています。
本記事では、その調査結果をもとに、私自身の経験も交えながら、介護と自分の人生をどう両立させるかについて考えてみたいと思います。
半年以内に限界を迎える介護と仕事の両立
調査によると、手助・介護を始めてから仕事を辞めるまでの期間が「6か月未満」と答えた人は、なんと55.8%にも上りました。
半数以上の人が、たった半年で仕事と介護の両立に限界を感じているという現実があります。
私自身も、在宅介護を始めてから半年ほどで心身ともに限界を感じた経験があります。最初は「なんとか両立できるだろう」と思っていましたが、介護は想像以上に時間と精神力を奪われるものでした。この数字には、深く納得せざるを得ません。
介護は家族がするもの?社会の期待と自己犠牲
さらに興味深い結果も出ています。
- 「できる限り自分や家族が介護をする方がよい」と思う人が増加(+5.9%)
- 「地域や社会から、家族が介護することを求められていると感じる」人が増加(+9.8%)
- 「介護をしながら自分自身の生活を大事にできている」と思う人は減少(-9.9%)
これらのデータから、
「家族が介護すべき」という意識が根強く残る一方で、介護者自身の生活が犠牲になっている現実が浮かび上がります。
私も在宅介護を始めた当初は「家族だからできるだけ自分でやろう」と考えていました。ですが、気づけば自分の生活は後回しになり、仕事や趣味の時間はほとんど消え、精神的にも追い込まれていきました。
「頑張ればなんとかなる」という思い込みこそが、介護者自身を追い詰めてしまう。
これが私自身の痛感した現実です。
もし介護で離職を考えたときの生活設計について知りたい方はこちらも参考にしてください。
介護者自身の人生を大切にするために
今回の資料でも、次のようにまとめられています。
- 介護者自身の人生を生きること
- 介護者自身で介護をし尽くそうとせず、専門家や介護保険サービス等を頼ることが重要
この考え方に、私は心から賛同します。
介護は「一人で抱え込むもの」ではありません。
自分自身の人生を大切にしながら、必要なサポートを適切に受ける──それが、親に対しても、そして自分に対しても、誠実な向き合い方だと思うのです。このブログでも一貫して伝えているのは、「自分らしく生きるために、親の介護とどう向き合うか」というテーマです。
自分を犠牲にしすぎず、かといって親を放っておくわけでもない──バランスを探りながら、自分らしい介護スタイルを築いていくことが大切です。
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