ケアマネジャー(以下、ケアマネ)と初めて会った日を、今でもよく覚えています。
その日は約束の時間にケアマネが来ず、10分、20分と時間が過ぎていきました。道に迷っていたそうですが、当時の私は介護のストレスで余裕がなく、「この人で大丈夫なのか?」と正直不安になっていました。
しかし、実際に話をしてみると、最初の印象は大きく変わりました。
介護の道筋を示してくれた安心感
母の状況を詳しく伝えると、ケアマネは一つひとつ丁寧に聞き取り、今後どう進めていけばいいのかを明確に説明してくれました。
「このまま一人で在宅介護を続けるのは、現実的に難しいです。施設を含めた選択肢を考えましょう。」
そう言われたとき、「母を施設に入れる」という選択肢を現実のものとして考え始めました。
それまでは、「自分がなんとかしなければ」と思い込んでいたし、誰かに相談する余裕すらなかった。でも、ケアマネの言葉を聞いて、「このままでは自分がもたない」と素直に思えたのです。
「もう頑張らなくていい」その一言が救いだった
「大変でしたね。今までよく頑張りましたね。」
ケアマネがそう言ってくれたとき、今まで張り詰めていた気持ちが一気に緩んでいくのを感じました。
「普通はこんなこと、できませんよ。仕事をしながら一人で在宅介護なんて、無理があるんです。」
その言葉に、涙が出そうになりました。
自分のやってきたことを責められるのではなく、認めてもらえたことで、「もう無理をしなくてもいいんだ」と思えたのです。
1日も早く、生活を変えることが大事
「これからのことを一緒に考えていきましょう。とにかく、1日も早く今の生活を変えることが大事です。」
ケアマネのこの言葉を聞いて、私は「この人と一緒に考えていこう」と決めました。
そして、その後の話し合いを経て、母を施設に入れることを決意。結果的に、それが母にとっても私にとっても良い選択だったと思います。
施設入所は決して親を見捨てることではありません。むしろ、より良い生活を提供する選択肢の一つです。
介護を抱え込んでいる人へ──「もう頑張らなくていい」
介護をしていると、「自分がやらなければ」という気持ちになりがちです。でも、本当にそれが最善とは限りません。
もし今、ひとりで介護に追われているなら、一度専門家に相談してみてください。
在宅介護を続けるのが限界だと感じたら、早めに相談を。
私自身、ケアマネの「もう頑張らなくていい」という言葉で救われました。あなたにも、そんな言葉をかけてくれる人がいるかもしれません。
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