母の家で発見した“10万円の領収書”──何があったのか?
母が私の家に来る前、引越し準備のために実家の荷物整理をしていたときのこと。書類を片付けていると、ある領収書が目に留まりました。
「開錠費用:100,000円」
見覚えのない業者の名前とともに、鍵の開錠に10万円も支払ったことが記載されていました。驚いて母に聞いてみましたが、当然のように「そんなの覚えてない」との返答。
不審に思い、その業者名をネットで検索すると、出てきたのは「高額請求で有名な悪徳鍵業者」でした。
悪徳業者に騙されても、本人は覚えていない
母がどんな経緯でその業者を呼び、どうしてそんな高額な支払いをしたのかはもう分かりません。認知症の進行で記憶が曖昧になっていたため、「鍵をなくした→友人に相談→高額請求業者に依頼」という流れだったのかもしれません。
一人暮らしの高齢者、特に認知症を患っている場合、こうしたトラブルは避けられません。たとえ家族が事前に「困ったときはこの業者に連絡して」と伝えていたとしても、本人がそれを覚えておくことができないのです。
鍵のトラブルだけじゃない! 認知症の親の一人暮らしに潜むリスク
鍵の問題は氷山の一角で、認知症の親の一人暮らしにはさまざまなリスクがあります。
- 訪問販売や詐欺被害:「無料点検」と言われて契約してしまうケース
- 電気・ガス・水道の停止:支払いを忘れて止まってしまう
- 迷子・徘徊:外出した後、家に帰れなくなる
「まだ大丈夫」「今はそんなに症状が進んでいない」と思っていても、ある日突然、大きなトラブルが起きることもあります。
後悔しないために…家族が早めに決断すべきこと
鍵のトラブルを防ぐ方法はあるものの、認知症の進行によって対策を本人が覚えていられないことが問題です。
- 早い段階で家族が金銭管理を引き継ぐ
- 一人暮らしが難しくなってきたら介護サービスや施設利用を検討する
母も「まだ大丈夫」と言い続けていましたが、結局はこうしたトラブルを重ね、最終的には一人暮らしが難しくなりました。今思えば、もっと早い段階で決断すべきだったと感じています。
まとめ
認知症の親の一人暮らしは、鍵のトラブルに限らず、さまざまな危険と隣り合わせです。「何か起きてから」では遅いこともあります。
もし今、親が一人暮らしをしているなら、「本当に安全か?」と考えてみることが大切です。
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