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母が「あなたは誰?」と言い出した日──パニックを避けるための対応

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認知症の親に『あなたは誰?』と言われたら、どう対応するのが正解?

無理に正そうとしなくても、自然と落ち着くこともあります。


ある日、母が昔の友人と電話をしていたときのことです。会話の流れで、友人が「今住んでいるのは息子さんの家でしょう?」と言ったそうです。すると、母は急に混乱し始めました。

電話を切ったあと、私の方を向いて 「あなたは私の息子?」 と尋ねてきました。普段なら何の問題もなく認識しているはずの私の存在が、その瞬間だけすっぽり抜け落ちてしまったのでしょう。私が 「そうだよ」 と答えても、母の表情は曇ったままでした。

正直、相手をするのが面倒だった

こういうとき、「しっかり説明しなければ」 と思う人もいるかもしれません。しかし、私は母の混乱に正面から向き合う気にはなれませんでした。

「いやいや、何を言ってるんだよ、俺だよ」と強く否定するのも、無理に思い出させようとするのも、どちらも余計に混乱を招きそうでした。

何より、介護疲れがあり、単純に相手をするのが面倒だったのです。そこで、「まあ、落ち着けばそのうち思い出すだろう」 と思い、軽く流すことにしました。

時間が経てば落ち着くこともある

しばらく外に散歩に出て、気分を変えてみました。すると、母も少し落ち着いた様子に変わっていきました。
ただ、まだ私のことをちゃんと認識しているわけではなさそうでした。

私は 「今、母は私のことを誰だと思っているんだろう?」 と不思議に思いましたが、問いただすのも面倒ですし、下手に刺激してまたパニックになられても困るので、そのまま様子を見ることにしました。

すると、少し時間が経つと、ようやく母は私のことを思い出したようでした。「なんか変なこと言っちゃったわね」 と母が笑いました。

無理に正そうとしなくてもいい

  • 無理に正そうとしなくても、自然と落ち着くことがある。
  • 認知症の混乱は、一時的なことも多い。焦らず対応するのが大切。

この出来事を通して感じたのは、本人が落ち着くのを待てば、無理に正そうとしなくてもいいのではないか ということです。

母が私のことを息子と認識できていなかった時間があったとしても、それで大きな問題が起きたわけではありません。むしろ、焦って問い詰めたり、強く否定していたら、もっと混乱していたかもしれません。

まあ、わからないならそれでいいか」くらいの気持ちでいた方が、介護をする側も精神的に楽になる。

こうした小さな経験の積み重ねが、これからの対応のヒントになるのかもしれません。

この記事を書いた人
KEI
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認知症の母の介護をきっかけに、お金を守りつつ自分らしく生きる方法を模索してきました。
このブログでは、介護・資産形成・FIREをテーマに、役立つ情報を発信しています。
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介護は大変ですが、必要以上に自分を犠牲にせず、賢く選択していくことも大切です。
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