親の介護が始まったとき、誰もが抱える不安──
「これ、いつまで続くの?」
実際、介護の平均期間は5年〜10年。中には15年以上に及ぶケースもあります。
これは決して他人事ではありません。私自身、母の在宅介護を経験し、「この生活がいつまで続くのか」と何度も不安に押しつぶされそうになりました。
この記事では、「終わりが見えない介護」を乗り越えるための現実的な考え方と、早めに知っておくべき準備についてお伝えします。
在宅介護の現実──「終わりが見えない」恐怖との闘い
介護の辛さは、いつ終わるのかが分からないことにあります。
たとえば、生命保険文化センターの調査によれば、介護期間の平均は61.1カ月(約5年1カ月)。
さらに、「4〜10年未満」が全体の31.5%を占めており、長期化する傾向は年々強まっています。
育児と違い、介護は「良くならない」
- 認知症は徐々に進行する
- 体力は年々低下し、転倒や寝たきりのリスクが高まる
- 介護者の心身の負担は蓄積される一方
「この生活が10年も続くのか……」と考えたときの絶望感は、経験した人にしか分からないと思います。
実際に私も、心が折れそうになった日が何度もありました。
長期戦を乗り切るカギは「施設の早期検討」
在宅介護は、続ければ続けるほどハードになります。
「施設を考えよう」と思っていても、いざそのときになるとすぐに入れる施設が見つからないという現実に直面します。
特に認知症の場合、要介護1・2の段階から特養(特別養護老人ホーム)を申し込んでおくことが非常に重要です。
特養の早期申し込みをおすすめする理由
✅ 特養は待機期間が長く、数年かかることもある
✅ 申し込みは無料。とりあえず申請しておくだけでもOK
✅ 在宅介護が限界になったときの逃げ道を確保できる
多くの人が「要介護3以上でないと入れない」と思いがちですが、認知症がある場合は要介護1・2でも入所可能な特養も存在します。
施設費用の壁と、資産形成の重要性
在宅介護から施設介護へ──
そのときに立ちはだかるのが「お金の問題」です。
施設の費用目安
施設種類 | 月額費用 | 備考 |
---|---|---|
特別養護老人ホーム(特養) | 8万〜15万円 | 年金でカバーできるケースも多い |
有料老人ホーム・サ高住 | 15万〜30万円 | 自己負担が月10万円以上になる場合も |
たとえば、有料老人ホームに10年間入所すれば、1,200万〜1,500万円が必要になることもあります。
ここで考えてほしいのが、「その費用を用意できているか?」という点です。
「在宅で頑張るしかない…」と追い込まれているのは、実は“施設費用を払えない”ことが根底にあるのではないでしょうか?
今から始める資産準備のヒント
- 新NISAなどを活用し、老後資金をコツコツ準備
- 年金+資産の取り崩しで10年の施設費用を想定
- FIREやセミリタイアを意識したライフプラン設計
介護にかかるお金は、「親のため」でもあり「自分の人生を守るため」でもあります。
施設探しは「情報を集めた人が勝つ」
「そろそろ限界かも…」と感じてから施設探しを始めても、遅すぎることが多いのが現実です。
よくあるつまずきポイント
- 特養の待機期間が思った以上に長い
- 有料老人ホームも空室がすぐに埋まる
- 施設ごとにサービス・費用・入居条件がバラバラ
だからこそ、今のうちに情報収集と準備を始めておくことが重要です。
今からできるアクション
- 認知症なら要介護1・2でもOKな特養に申し込む
- 自宅近くの施設の費用・雰囲気・空き状況を調査
- 実際に見学し、スタッフの対応などを確認
私自身、介護と並行しながら施設を探した経験がありますが、これは本当に大変でした。
もっと早く動いていればと、何度も後悔しました。
「10年続くかもしれない介護」に備えるという選択
在宅介護を続けるか、施設に入れるか──
この選択に「正解」はありません。
でも、「いつか限界がくる」ことは、誰にとっても共通です。
だからこそ準備が必要です
✅ 介護は続けるほど負担が増す
✅ 施設の情報を早めに集めておくことで選択肢が広がる
✅ 資産形成をしておけば、安心して決断できる
「まだ早い」と思っているうちに、あっという間に限界がやってきます。
「終わりが見えない介護」だからこそ、
「どう続けるか」ではなく「どう終わらせるか」という視点を持つことが大切です。
まとめ:介護を長期戦と捉え、今から備える
- 介護は10年続く可能性がある長期戦
- 在宅介護は、年齢とともに悪化する
- 認知症があれば、要介護1・2でも特養申し込み可能
- 民間施設の費用は、10年で1,500万円以上になることも
- 早めに施設を調べ、申込み・見学しておく
- 資産準備があれば、介護者も介護される側も幸せな選択ができる
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