親の介護が始まると、自宅での生活が難しくなり、特別養護老人ホーム(特養)などの施設入居を検討する方も多いのではないでしょうか。
「これでひと安心」と思っていても、実際には必ずしも安心できない現実もあります。
今回は、特養に入居後に起きたトラブル事例とあわせて、私自身の経験や感じたことを交えながら、施設選びで気をつけたいポイントをまとめました。
「助けて」と電話してきた母…特養入居後に起きたトラブル事例
幻冬舎ゴールドオンラインの記事では、こんな出来事が紹介されていました。
要介護3で特養に入居した高齢の母親から、半年後に「助けて」と涙声の電話。
駆けつけてみると、部屋は散らかり放題で、母親は清潔も保たれず、体重も減っていた――。
施設に確認すると、人手不足のため十分なケアが行き届いていなかったとのことです。
この話は決して珍しいものではなく、厚労省の調査でも介護職員の人手不足は深刻とされています。
「施設に入れれば安心」というわけではなく、施設ごとにケアの質には差があるのが現実です。
私の場合は幸運だったけれど…
私の場合は、運が良かったのか、入居した特養の職員さんたちはとても親切で丁寧に対応してくれました。
そのため記事のようなトラブルは一切なく、本当にありがたく感じています。
しかし、もし同じようなことが起きていたら…と思うとゾッとします。
次の施設を探すのは簡単ではなく、その間は在宅介護をせざるを得ません。
仕事と介護の両立、親の体調管理、通院付き添いなどを考えると、体力的にも精神的にも大きな負担となるのは間違いありません。
だからこそ、入居前の確認がとても大切だと思います。
入居前に見学で確認すべきこと
施設を選ぶ際には、パンフレットや説明だけではなく、必ず見学して雰囲気を確認することをおすすめします。
チェックしておきたいポイントは、たとえば以下の通りです。
- 職員さんが入居者にどんな声かけをしているか
- 入居者が清潔に保たれているか(服装や髪の様子など)
- 食事や居室の環境が整っているか
- 職員さんが忙しそうすぎて余裕がない雰囲気はないか
- 家族への説明が丁寧かどうか
こうした点を見ておくことで、「ここなら安心してお願いできる」と感じられるかどうかが分かります。
入居後に意識しておきたいこと
見学の段階では分かりにくいですが、実際に入居してみて安心につながったのが、医療連携や報告体制でした。
私の母の場合、体調に変化があったときはすぐに提携しているお医者さんに診てもらい、薬の調整が必要になれば必ず家族に連絡をいただけました。
「何かあったらすぐ知らせてもらえる」という仕組みがあると、本当に心強いものです。
入居後も定期的に様子を見に行き、職員さんと顔を合わせて話をすることで、こうした体制がきちんと機能しているかも確認できると思います。
まとめ:任せきりにせず、見守る姿勢も大切
介護施設は、家族にとって大きな支えになります。
しかし「入所=完全に安心」ではなく、記事のように人手不足やケア不足が起きる場合もあるのが現実です。
私のように恵まれたケースもあれば、そうでないケースもあります。
だからこそ、
- 事前に施設を見学して雰囲気を確認すること
- 入居後もときどき様子を見に行き、職員さんとコミュニケーションをとること
この2つがとても大事だと感じています。
大切な家族が安心して暮らせるように、「任せきりにしない姿勢」を持つことが、結果的に本人にとっても家族にとっても安心につながるのではないでしょうか。
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